みやぎ「赤旗」自然・山愛好会

   
 六十里越街道、 正体不明な不思議な感動の世界

9月28日 篠崎隆夫

9月25日・26日、船岡氏と六十里越街道を歩く。9時40分、田麦俣の七つ滝駐車場を出発し「弘法茶屋跡」から細越峠までの街道の核心部をピストンする。ガイドマップで往復9キロ、6時間30分程の行程だ。この区間で、信仰遺跡(弘法大師関連)、展望ス ポット、特徴ある木、各種の碑などが次々と現れるのが特異な特徴だ。

信仰遺路•••弘法茶屋跡、独銘茶屋跡、護摩壇石、護身仏茶屋跡、地蔵仏像

展望スポット•花の木坂展望台、月山展望台、湯殿山神社遥拝地

特徴ある木••竜神ぶな、ラブラブナ、千手ぶな、ねじれ杉、一本杉

民間伝承地••馬立、塚なら、座頭まくり

各種の碑•••斎藤茂吉の歌碑五体、湯殿山碑、永代保存碑、燈菴碑、二三の顕彰碑

その他••••小抜坂(こほのき)、大抜坂(おほのき)、一里塚

護摩壇石、湯殿山遥拝所、千手ぶな、大抜坂が不思議な感動を呼ぶ。護摩壇石は一寸広くなった道の真ん中に鎮座する高さ•幅 1m程の形良い巨石だ。弘法大師がこの石で護摩をたいたといわれる。この街道には我々が歩いた範囲では岩や石がむき出しになった場所は全くなく、この石が人の手でこの場所に置かれたのは明瞭だ。弘法大師はともかくも真言宗の相当の高僧が実際この場で護摩を焚いたのだろう。大抜坂は、何のためにこんなに道を整然と深くけずったのか全く想像がつかない。護摩壇石、抜道、そして茶屋等は田麦俣に住む人が関ったと思われる。細越峠付近の湯殿山遥拝所からは湯殿山神社の赤い鳥居が鮮やかに望められるが、一目見ると自然に不思議な感動が体を走る。普段は神社•仏閣をいくら眺めても感動することなど無いのだが。千手ぶなは多くの枝を広げたブナ巨木だ。

この街道は庄内と村山を結んだ物資運搬路、交通路だったが、湯殿山信仰と密接に結び ついた宗教道路であったのも明瞭だ。田麦俣より庄内側 2km程の地点から志津温泉間は完 全な山道で集落は田麦俣だけだが、多くの不思議な興味が呼び出される道だ。

「補」

道の状況•••急な登り下りの少ない歩きやすい道が続く。数か所でショートカットの道がある。現在は歩けなくなっている道や逆に一寸古いガイドブックには 記載されていない新しい道もあり、そこは注意が必要。田麦俣へ旧112号線を利用の場合は確認が必要。(交通止めが良く生じる)

所要時間•••たいがいの案内書が記す所要時間は何故か相当多めに記載されている。

ペース•休憩とも普通に歩いたが、6時間弱でピストンできた。

宿泊施設•••田麦俣に民宿「田麦莊」がー軒あるのみ。消費税込みで11.100円、 温泉では無いが施設全般、食事などまずまず。

          

     七つ滝
     千手ブナ
     大払坂
     御身仏茶屋跡
   湯殿山神社遙拝地からの展望